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注目を集める低線放射線のホルミシス効果 低線量の放射線は体に有益な効果をもたらす

低線量放射線がもたらす「ホルミシス効果」

低線量の放射線は体に有益な効果をもたらすことがあり、これを「ホルミシス効果」と呼びます。
人の生理機能と密接な関係にあるホルモンとホルミシスは、どちらもギリシア語のホルモを語源にしています。 ホルモとはもともと「刺激する・興奮する」という意味を持った言葉です。

今までのいろいろな研究結果より、低線量の放射線には下記のような生体適応反応に伴うホルミシス効果があることが分かっています。

  • (1)過剰な活性酸素を無毒化にするSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)やGPx(グルタチオン還元酵素)などの抗酸化物質を増加させ、抗酸化機能を高めます。その結果、生活習慣病や老化の原因となる過酸化脂質などを生じにくくしたり減少させるなど、健康増進の可能性があります。
  • (2)免疫やホルモン分泌の生体調節機能が高まります。
  • (3)細胞の損傷修復機能の亢進や、細胞自爆機構(アポトーシス)の活性化により、がんを含む生活習慣病の予防と治療の可能性を持ちます。

◆ ウサギを使ったラドン吸入実験

ウサギを使ったラドン吸入実験
ごく微量のホルモンでも私たちの体に重要な働きをするように、微量の放射線もまたホルモンのような、いわゆるホルミシス効果をもたらします。

では、放射線とホルモンの直接的な関係はどうかといいますと、ウサギの動物実験で、ホルモン分泌の増加を確認しています。高濃度のラドンを含む鉱泉水を噴霧状にし、ウサギにラドンを吸入させました。

その結果、血糖値を減少させるインスリンの分泌がよくなる他、痛みを和らげるβエンドルフィンやメチオニンエンケファリン、血管拡張作用を示すαANPなどのホルモンが活発に分泌されることが分かりました。

また、各臓器中の抗酸化酵素であるSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)やGPxの活性も増加しました。活性酸素の一種Oの不均化を行うのがSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)で、これにより生じた過酸化水素を水と酸素に無毒化するのがGPxです。

そして、ラドン吸入により抗酸化酵素が誘導合成されることも分かり、過酸化脂質の量が減少したことからも、抗酸化機能が亢進したと考えられます。ウサギにおけるこれらの現象は、最近の研究により、人においても同様に生じていることが明らかになりつつあります。

鎮痛・消炎作用の役割を果たすラドンの低線量放射線

慢性関節リウマチ、関節炎、神経痛、筋肉痛に対する鎮痛・消炎作用は、ラドンからの低線量放射線が、脳下垂体を刺激して副腎皮質ホルモンの分泌を促すため、あるいは、痛みの知覚や中枢処理での補助伝達物質として役割を果たす、サブスタンスP/カルシトニン関連神経ペプチドの産生を賦活化することによるものとも考えられています。 また、α線には神経細胞の酸素消費量を下げて沈静化させる作用もあります。

放射能泉による生体刺激やリラックス効果は、有益なホルモンの分泌を促進させるだけではなく、逆にストレスにつきもののコルチゾールなどを減少させてることが考えられます。 放射能泉で体調がよくなる原因の一つに、ホルモンなどの内分泌系の活性化があげられます。 神経痛、慢性多発性関節炎などの痛みが軽くなったり、慢性疲労やストレス性疾患がよくなるのも、痛みを抑えるホルモンの分泌促進が大きく関わっています。

低線量放射線の細胞組織活性化

◆ トーマス・D・ラッキー博士より先に低線量放射線の細胞組織活性化を知っていた畑晋博士

「ホルミシス」という言葉が初めて使われ、注目を浴びたのは、米国ミズーリ大学教授(当時)で生化学の分野で著名なトーマス・D・ラッキー博士が、 1982年12月号の米国保健物理学会誌で発表した論文の中です。 しかしラッキー博士より早く、低線量の放射線とくにα線が、人間の体の細胞組織をもっとも活性化することを知っていた日本人がいます。それは、当施設のトロン温浴装置生みの親、畑晋博士です。これはまさに驚くべき事実です。

ホルミシスから「適応応答」へ

◆ 低線量放射線を予め浴びておくと、次に浴びる放射線に対しての抵抗性を獲得

最近では研究が進み、ホルミシス効果にさらに「適応応答」という考え方が知られるようになりました。これは次のような考え方です。 低線量の放射線を予め浴びておくと、次に浴びる放射線に対して抵抗性を獲得し、異なった放射線感受性を示すことがあります。すなわち、放射線被爆経験の有無が放射線の感受性を決定することがあるという考え方です。

◆ 臨床治療とマウス実験で低線量放射線の効果が実証された

たとえば、放射線基礎医学の立場から、東北大学医学部の坂本澄彦名誉教授は、かつてその研究の中で死亡率の高い難病として有名な「悪性リンパ腫」について、患者さんの承諾を得た上でがん組織に放射線を直接当てるグループと治療前に低線量の放射線を全身に照射してから治療用の放射線を当てるグループに分けて臨床治療を行い、 それら患者さんの治療後に10年を超える追跡調査をして、分析を行っています。

その結果、治療前に低線量の放射線を全身に照射してから治療用の放射線を当てるグループの生存率(84%)のほうが、直接治療行ったグループの生存率(50%)より高いと報告しています。 また、奈良県立医科大学の大西武雄教授は、上記の東北大学医学部の坂本澄彦名誉教授の用いた治療で効果があったのは、「がん抑制遺伝子p53」が活性化したのではないかと考え、マウスを利用して、実際に確認する実験を行いました。 その結果、マウスの全身に低線量の放射線を当てたあと、6時間後あるいはそれ以上経過してから、さらに放射線を照射するとがん抑制遺伝子p53が格段に増加することを確かめました。

低線量の放射線の効果については、このように医学的な実証が得られています。

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