- トロン生成装置の理論と仕組み
- 低線量放射線のホルミシス効果
畑晋 教授
- 防衛大学校名誉教授 理学博士畑 晋(故人)
- 私の話は少しこむずかしくて面白くないかも知れませんが、このトロン温泉とは一体どういうものなのか。ラドンとかトロンとかラジウムとか色々な温泉があるが、トロンとはどういう種類で出来ており、どんな性質なのか科学的基礎的な話を致します。
私が開発しました温泉ですが、トロン温泉は放射性元素の効果もよろしいし、副作用がない。つまり
弱酸性液体抽出方式によるトロン温泉は人体に対して全く危険性がないというのが特色なんです。
この放射性元素、一般的にはラジウムという名前で皆さんに理解されていますが、放射性元素は、
大雑把にいって、二種類あります。
その一つは、天然の放射性元素で、この施設で使われているトロンを含む、地球上に天然に産出する自然の鉱物の中の放射性元素を指すわけです。
もう一つは人工放射性物質です。
終戦後、非常に問題になりました原子爆弾とか水素爆弾の空中実験で全世界にまき散らされた死の灰。
それによって代表される人工的にできた放射性元素です。
この人工的なものには、非常に悪影響があった事は皆様もすでにご承知の通りです。
そのため、良いものは病院で利用されるだけで、あまり世間に知られていません。何故かといいますと核爆発実験で全世界が汚染され、そのとき出る元素が割合寿命が長い。
それは20年から30年間元素が生き残っいるわけで、これが人体や植物に取り込まれ」植物を動物が食べて、動物の体内に元素が残る。それが非常に危倹なものというのが原因です。
人工的につくられた元素でも、寿命の短いものもあります。これは地球上にばらまかれても自然に消
滅するので何ら問題はないわけです。天然の放射性元素は地球の出来たころから存在するわけで
我々生物はこの放射性元素と長い間これに親しんできているわけです。そういう意味からいえば天然放射性元素は人体に対して比較的安全と考えてよいわけです。
この天然放射性元素を原料にして温泉を作るというのが我々の出発点でした。
その前に放射性元素について説明しますと、放射性元素には三系列あります。
その放射性元素は自然に放っておいても、常に絶え間なく壊れていきます。なぜ壊れていくかと申しますと、放射性元素は非常に重い元素なのです。
仮に水素を1とすると200倍から300倍もの重さがあります。これに構造的な歪みが入って壊れます。
ちょうど地震が起きて地質構造が変るのと同じように元素もしょっちゅう地震が起きていて、その度にエネルギーが外部に放出される。
それが実際にはα線β腺γ線というエネルギーとして外部へ飛んでいくわけです。それが三つめ種類の放射線の本体なのです。
その三系列の名前はウラン系トリウム系とアクチウム系の三つで、ラジウムということばは日本では放射線のことをいっておりますが実際には殆どウラン系のラジウムです。
フランスでキューリー夫人が地球上で初めて発見したのがラジウムという名で、現在でも放射線の中で一番大切で貴重な元素なのです。
ラジウム温泉というのは、ラジウムを実際に含むかといいますと、日本にはラジウムを含んでいる温泉は殆どありません。
地下にウランを含んだ岩石があり、それが地下で水の中へ溶け込み、それが湧いてくる。それがラジウム温泉といわれているのです。
この施設で使用しているトロンはトリウム系のトリウムエックスという元素から生まれてくるトロンという元素で、
例えば、平家をラドンとすると、源氏はトロン、アクチノンというのが藤原というように血統の違った三系統あり、それまでは子から孫、孫から曽孫というように十幾つもの世代を経て最終的に放射能がなくなります。
我々がなぜこのトロンを選んだかといいますと、トロンは天然の鉱物から引き出した放射性元素ですから自然に崩壊してトリウム A、B、 C、D、と変っていくわけで A、B、C、は放射性元素でありα線とβ線を持っています。
とくにトリウムBは放射性元素が半分に減るのが10時間、初め 1,000個あったものが500個、500個が250個と半減を重ねて、大体60~70時間、3日経てばゼロになってしまいます。そのように寿命の短い放射性元素は、皮膚を通して血管に入り、体内に入ってきても三日すれば消滅してしまい、体内に残って害を及ぼすことは絶対にないのでこのトロン元素を利用しようということになったのです。
ウラン系ですと、生まれてくるラドンはAからGまで壊変し、ウランGまでいくと放射性元素が鉛になってゼロに消滅します。
しかし、AからFまでは放射能をもっていて特にその中でDの半減期が20年で、それからGになるまではその7倍の140年たたないと放射能がゼロにならないわけです。
従ってそういう元素は飲み込まなければよいとされていますが、皮膚を通したり、呼吸で肺に入ったりしたのでは大変なことです。
ラドンを使用することには問題があり、心配なので見合わせたわけです。もっとも一般の人は知らないので別に気にしていませんが、良心的にみますとラドンが体内に入るのはまずいと考えたわけです。東京医科歯科大学でもやはり長い日で見た場合ラドンは使うべきでないということで、我々の考え方が正しかったと思います。
では、トロン温泉にはトロンがどの位入っているかと申しますと、放射性元素の単位をマッヘという単位で測りますが、放射性温泉の最低基準が8 マッヘでこれ以下は放射性温泉とは言えません。
この施設の場合は大体10~15マッヘで設計されています。
天然の温泉は雨が降ると濃度が変動しますが、この施設の場合安定しております。
トロン温泉の特性というか、ラドンとの違いは以上述べたことでおわかりいただけたと思います。
結局、人工トロン温泉は液体抽出方式によって温浴水中に抽出された壊変物の核種が皮膚に直接当る場合のみ、核種から発するα線β線で皮膚にイオン活性化現象を与えることが出来るのであります。
従って正しい意味で人工トロン温泉の温浴水は、測定検出可能な適量(水1リットル中百億分の30キューリ)のトロンが含有されている事が(神奈川県衛生研究所)実証されなければなりません。
なお温泉医学でいうトロン泉は、水1リットル中にトロン含有量が百億分の 30キューリ以上含むものを「トロン泉」とされています。(他のラドン温泉は百億分の2.7キューリ)現在名称使用について
も国の規制がないためラドン名称を使っているところが多い現状です。
当施設のトロン含有量は、百億分の55キューリ(15マッヘ)であり、他の人工温泉とは含有量においても比較になりません。当施設の含有量決定は、日本医師会学術委員長杉靖三郎医学博士の指導によるもので、絶対の自信と権威を持って皆様にお勧め出来ます。
※ 昭和58年11月12日の講演内容です。






